暴言がみられる患者に対する認知症ケア

認知症のタイプには症状の影響によって暴言をはいてしまったり、暴力に至るケースがあります。原因として考えられるのが、前頭側頭型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症による脳の障害によるものです。また、自分の感情を人に上手に伝えることが難しくなるため、体の不調などを伝えられずストレスが蓄積して暴言暴力に発展してしまうことも。内服している薬剤の副作用や飲み合わせによる場合もあるので注意が必要です。また、看護師による認知症ケアと思ってしている行動が患者の易怒性を助長することがDCM法で判明しています。できることをさせない、子ども扱い、怖がらせる、急がせる、無理強い、後回しにする、などです。これらは認知症でなくても暴言を吐きたくなる対応かもしれません。認知症だから言ってもわからないだろう、ではないです。自分の症状を自覚している患者が多いことを認識し、認知症患者だからこそ気をつけなくてはいけません。まずは、なぜ暴力暴言が出現しているのか原因を知ります。それだけでも患者と接する時の対応が変わってきます。決して自分を困らせようとしているわけではない、病気のせいだとわかるだけでも違いますよね。危険な時にはきちんと距離をとりましょう。自分に向けられている暴言暴力の場合は迷わず他の人に対応を頼みます。気持ち的にも落ち着きを取り戻すのには時間がかかります。その場を離れて冷静になり、就業時間が終わったらきちんと気分転換して仕事のことは仕事場に置いてくるようにしましょう。